テアニンとは?緑茶に含まれるリラックス成分

テアニンとは?緑茶に含まれるリラックス成分

「緑茶を飲むと、ほっとする」——そんな感覚の背景にあるのが、天然アミノ酸“テアニン”の存在です。最近では、リラックスや睡眠のサポート成分としても注目を集めており、国内外での研究や商品展開も進んでいます。本記事では、テアニンの基礎知識から、効果、摂取方法、そして世界での広がりまで、知識欲を満たすかたちで丁寧に解説します。


テアニンの基本情報と化学的背景

テアニン(L-テアニン)は、緑茶の旨味を構成する主成分で、茶葉に特有のアミノ酸です。一部のマッシュルームからも発見されていますが、主には緑茶特有のアミノ酸と表現しても過言ではないでしょう。化学的には、グルタミン酸を骨格とした非タンパク質アミノ酸であり、甘味や旨味をもたらすほか、中枢神経に作用する機能性ももっています。

茶葉の中では、カフェインやカテキンなどとともに生成され、特に玉露や抹茶などの「日陰栽培」によって育てられた茶葉には、光合成抑制によってテアニンがより多く残ります。

出典:Juneja et al. (1999), "L-Theanine – A unique amino acid of green tea and its relaxation effect in humans", Trends in Food Science & Technology.


テアニンの発見と日本の研究史

テアニンは1949年、日本の科学者・酒戸弥二郎博士によって緑茶から初めて単離・命名されました。博士は、玉露の旨味に着目し、長時間の抽出実験を通じてこのアミノ酸成分を発見。のちに「Theanine」と名付けられ、茶の機能性研究の礎となりました。

日本はテアニン研究の先進国であり、1980年代からは医療・食品分野における応用研究も活発に行われています。

出典:京都府茶業研究所「お茶のうま味成分テアニン発見60年」


テアニンの主な生理作用とエビデンス

睡眠の質の向上

テアニン200mgを4週間摂取した被験者では、睡眠の主観的質(PSQIスコア)や睡眠潜時の改善、中途覚醒の減少が確認されています。これは、テアニンが中枢神経系に作用し、副交感神経を優位にする働きを持つとされるためです。また、夜間の目覚めの回数が減り、深い睡眠(徐波睡眠)の時間が長くなる傾向も見られました。さらに、睡眠の質が改善されたことで、翌朝の活力や集中力の向上も報告されています。

出典:Hidese et al. (2019), Nutrients, 11(10), 2362.

リラックス効果(α波増加)

脳波測定において、テアニン摂取後にα波(リラックス時に多く見られる脳波)の増加が認められています。α波の出現は、精神的な落ち着きや瞑想状態に関連しており、日常生活の緊張や不安を和らげる効果が期待されます。カフェイン摂取後の覚醒状態と比較しても、テアニンは「集中と安定が両立した」穏やかな覚醒感をもたらすことが特徴とされています。これは、仕事や学習前のプレッシャー対策としても注目されています。

出典:Juneja et al. (1999)

ストレス反応の緩和

高ストレス課題下での生理指標(唾液アミラーゼ、心拍数)や、主観的ストレス評価の改善も複数の研究で報告されています。テアニン200mgを摂取したグループでは、交感神経の過剰な興奮が抑えられ、唾液中ストレスマーカーの上昇も緩やかでした。これは、仕事や対人関係などでの緊張状態を穏やかにし、自律神経のバランスを整える機能性があることを示しています。特に、慢性的なストレス負荷を感じやすい現代人にとって、継続的なテアニン摂取は“心のコンディショニング”として有効な手段となるでしょう。

出典:Unno et al. (2018), Nutrients, 10(10), 1361.


海外におけるテアニンの利用と注目

アメリカやヨーロッパを中心に、テアニンは「ナチュラルなストレスケア素材」として注目されており、睡眠サポート系サプリメント、グミ、ティーバッグ飲料など多様な製品形態で流通しています。

ブランド例として、米国ではSuntheanine®がサプリメントとして有名です。また、Nature’s BountyOlly Sleep Gummies などがあり、いずれも「落ち着き」「眠気ではなく“整える”感覚」を訴求しています。

出典:VOGUE Wellness「L-Theanine Benefits」, 2023.


テアニンを効果的に摂取するには?

研究で効果が確認されているのは、1回あたり200mg程度の摂取量です。 緑茶1杯(100ml)に含まれるテアニンは約5〜10mgのため、食習慣だけでカバーするのは困難です。実際、200mgを緑茶から摂るには20〜40杯相当となります。

しかも、緑茶にはカフェインも含まれているため、緑茶20杯から摂取しようとするとカフェインによる興奮作用が心配です。


teleepのスリープ緑茶という選択肢

そこで、téleepではカフェインレスで、テアニンをしっかり200mg配合した“夜のためのお茶”を開発しました。「teleepのスリープ緑茶」です。静岡県産の有機茶葉を使用し、カフェイン0.0g、玄米ブレンドと、シングルオリジン2種展開です。香ばしく上質な味わいが特徴の玄米ブレンドが人気が高く、リピーターも多くいらっしゃいます。

カフェインを気にせず、しっかりとテアニンの効果が感じられるスリープ緑茶。

ぜひ一度お試しください。

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参考文献

  1. Juneja, L.R. et al. (1999). "L-Theanine – A unique amino acid of green tea and its relaxation effect in humans". Trends in Food Science & Technology, 10(6–7), 199–204.

  2. Hidese, S. et al. (2019). "Effects of L-theanine on stress-related symptoms and cognitive functions in healthy adults". Nutrients, 11(10), 2362.

  3. Unno, K. et al. (2018). "L-Theanine reduces psychological and physiological stress responses". Nutrients, 10(10), 1361.

  4. Kyoto Tea Research Institute. 「お茶のうま味成分テアニン発見60年」

  5. VOGUE Wellness (2023). "L-Theanine Benefits".

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